2014年8月7日木曜日

台風接近時のドルフィンスイムについて



珍しく長文です。

今日のさるびあ丸は神津島欠航、新島・式根島は着発、
利島は上下着きましたが、新島式根島欠航の影響で入港が定刻より1時間半も早まりました。

そして今晩発のさるびあ丸は神津島・利島が条件付き、新島・式根島はすでに欠航決定済み。

写真は今日の利島、さるびあ丸上り便。
利島の港は特に南からの風やうねりにとても強いので、きっと明日もさるびあ丸は着くでしょう。

港だけ見ていると、この天気・この凪でどうしてダイヤが乱れてるのか、
どうしてドルフィンスイムが危険なのか、まったく理解できない人の方が多いだろうなと思います。
「台風の影響なんか出てないでしょ?」って。

でも実際は、南から恐ろしい大きさのうねりが押し寄せています。
うねりっていうのは簡単に言うと津波に似た性質の波です
水深が深い外洋ではほとんど影響はありませんが、浅瀬や海岸は非常に危険な状態になります。

ご存知の通り、御蔵島や利島のイルカは海岸近くに生息するイルカです。
大きなうねりが押し寄せているときに波打ち際を泳げば、うねりに巻かれて海岸の岩に叩き付けられるかもしれません。
船が浅瀬に行けば、制御不能になって転覆するかもしれません。
(実際、御蔵島では過去に2回ドルフィンスイムの船がツアー中にうねりで転覆しています)

そういった理由で、風がなかろうが、晴れていようが、大きなうねりが押し寄せているときのドルフィンスイムはリスクがあるんです。

危険かどうかの判断基準は船長ごとに多少違うので、
「自分が予約していた船は中止になったのに他の船は出てた!許せない!」と思う人もいるかもしれないけど、
中止する船がいる時点で、出ることを決めた船には大なり小なり事故のリスクがあることをわかっていただければと思います。

ドルフィンスイムに限らずあらゆる海や山のアクティビティにおいて、
SNSなどでたまたま運良く事故に合わずにすんだ人の自慢話ばっかり聞いていると、感覚が麻痺していってしまうのはとてもよくわかります。
でもどうか冷静に、周りに流されない判断をして欲しいと思います。